半農半音生活宣言!
「ながさき・音楽村」

十数年来の夢「ながさき・音楽村」をささやかに発足しました
現在、150坪ほどの「田んぼでの米作り」と事務局となる「山の家」があるだけですが
将来はコンサートが出来るくらいの「みんなの家」を作り、
田んぼも現在の約6倍くらいに広げ、ブルーベリー畑を作り、ニワトリを飼い・・・
と言った「夢」を大いに描いています。

農作業を通して「いのち」と向かい合い、
しっかりと地に足をつけた暮らしの中で音楽を発信する。
歌声が響き、笑い声が響き、人間本来の心のふれあいや連帯感があふれるような・・・
そんな「生活共同体」をめざして歩き始めます。

場所は、我が生まれ故郷「長崎県西彼杵郡琴海町西海郷岩立」。

「ながさき・音楽村」。


その主旨なるものをご紹介致します。


    「ながさき・音楽村」って何?

  「ながさき・音楽村」は、長崎県西彼杵郡琴海町西海郷岩立に拠点を置き、「半農半音」の生活を目指しての生活創りに励みます。

        「ながさき・音楽村」は、プロフェッショナルの音楽家を目指す人間たちの生活共同体です。勿論プロ以外の、音楽を愛する人との交流も深めつつ、講座やレッスンなどを設け、琴海町の人たちをはじめ、長崎県下の人たちの音楽文化活動をお手伝いして行きます。

        「ながさき・音楽村」の基本生活は、農作業と音楽活動を両輪に据えたものです。米や野菜作りに汗を流すことによって「いのち」と向かい合い「いのち」への思いを深めその「いのち」が存在する地球環境や平和について考えて行く中での音楽活動を目指します。

        「ながさき・音楽村」はオリジナル文化を創造し発信して行きます。農作業を通して 々に学んだことを基本理念に据えながら「ながさき・音楽村発のオリジナル文化」を発信して行きます。個々のレッスンやグループレッスンを通し様々な出演形態を作りながら各地でのコンサート活動を展開して行きます。

        「ながさき・音楽村」は、様々な企画を通して琴海町の文化の確立、発展を目指すともに「ながさき・音楽村」の理念等を広くアピールして行きます。例えば、琴海町の人たちと取り組むCD制作やコンサート、また様々な分野で活躍されている専門家の講演等々を取り組みます。

        「ながさき・音楽村」は、農産物の直送販売を手掛けます。その他、琴海町の特産物販売にも協力をして行きたいと思います。

        「ながさき・音楽村」は、音楽村村民の創意工夫によって、様々な企画やイベントを取り組みながら、いのち溢れる「音楽村づくり」に励みます。



         何故「音楽村」なのか?

         今私たちを取りまく音楽状況をみると、すべてがそうだとは言い切ることは出来ませんが「根無し草音楽」と呼んでも構わないようなものが大いに氾濫していると言っても過言ではないように思われます。
音楽の在り方が、人々が日々に暮らすこととは遠く離れたもの・・・言い換えれば人間の実際の生き様を横に置いてしまったところに存在しているのではないかと言うことです。音楽、特に「歌をうたう」と言うことは、他の文化(映画や文学等)と大きく違って、誰もが参加出来ると言う、門戸を広く開けたものであることは容易に確認出来ると思います。一般の人たちが「歌をうたう」と言う行為を考える時、自分の何を表現するために歌うのかと言うことではなく、ただ歌うことが嬉しい行為である(勿論そのことが間違いであると言う意味では有りません。)ことにとどまっているのが実状ではないでしょうか。勿論その行為によって、親睦や交流が行われている事実に対しても何ら意義を申し立てるものでも有りません。

 しかし、他の文化と同様に、音楽にも何らかの果たし得る役割があるのでは・・・と考えるところから「ながさき・音楽村」設立の夢が生まれました。社会的な出来事に対応した形での音楽も様々に多数存在しますが、一言で言うならば「やさしい心を育む」役割を果たすべく「ながさき・音楽村」の存在意義を深めつつ「オリジナル文化」の創造と演奏活動を大いに展開して行きたいと思います。そのためには、音楽が人々の暮らしとかけ離れたところに存在するものではなく、自分の生きる町、国、地球と関わりを持つところに存在したものでありたいと考えます。環境や平和の問題、また教育や人権等のことを考えることが底辺に在り、そこから生まれる音楽文化を大いに期待しつつ「ながさき・音楽村」の生活づくりは始まります。



何故「農(作)業」との両立なのか?

 農(作)業が、いのちを生み出し、向かい合い、またいのちと深く関わって
いるものだからです。「虚業」である音楽を底辺で支えるものが「実業」である農(作)業で汗を流すことだと考えます。と言っても「虚業」と言う言葉は、決して否定的な意味で使っている訳では有りません。単に「作り物」という意味であり「偽物」と言うことでは有りません。「作り物」故に、本質を求めることが充分に考えられ、又「作り物」であるが故に「本物」を作って行ける可能性も存在すると思います。

        と言うことは「ながさき・音楽村」は「いのち」を積極的に肯定したところでの音楽の創造を基本に置きます。音楽が、農作業生活に依拠したところに存在する、その具体的な生活そのものが「ながさき・音楽村」の生活なのです。

        農(作)業方法ですが、大原則として「無農薬農業」に取り組みます。収穫も大切な要素であり、大きな楽しみですが、農作業そのものの課程を重視、尊重して行きたいと考えるからです。農作業も音楽活動も、ひとつの結果を生み出すものですが、その双方ともに「ながさき・音楽村」に集う各人が、やさしい又心豊かな人間になってゆくための大きなプロセスとして考えたいのです。そして、そこから生まれて来るだろう「ながさき・音楽村」の「オリジナル文化(農産物や音楽)」に大いに期待したいと思っています。



「ながさき・音楽村」設立(2004年8月1日)

         場所は、琴海町西海郷岩立の坂中正美氏の所有する約二町歩の山林、田んぼ、畑です。現在約六年間休耕田だった田んぼ(約6反)の一部を耕作し6月27日の田植えには総勢26名の参加を得ました。約150坪の小さい田んぼ。そこから「ながさき・音楽村」はスタート致しました。今後の目標としては、田んぼを広げ、ブルーベリー畑を作り、ニワトリを飼うこと米」「ブルーベリー」「ニワトリ」を「ながさき・音楽村」の農作業の三本柱に据えることを決定しました。勿論、その他にも日常の生活に必要な様々な野菜作りにも励みます。また、竹や木を利用し工芸品等の制作も手掛けます。

   7月31日、オープンスペース(みんなが集まった折に使用する目的)の「山の家」完成祝いを行い、翌8月1日「ながさき・音楽村」のささやかながらの正式発足となった次第です。

  代表に寺井一通(長崎市在住、シャンソン歌手、シンガーソング・ライター、「ながさき・音楽村」提唱者)を置くことを決定致しました。

  土地所有者の坂中正美氏は幼少の頃小児麻痺になり、現在松葉杖での生活。ずっと農業を続けて来られ、今はリタイアされている88歳の父上と二人暮らしの生活。彼自身は農作業に携わることは不可能で、このままだと山も畑も田んぼも荒れ果ててしまうという状況だと言うことを付け加えて置きます。



     「みんなの家」作り

  その拠点となる「みんなの家」作りを目指します。2004年秋から2005年末にかけて、手作りのログハウス風「みんなの家」を作ります。「みんなの家」では、基本的に音楽を学びながら農作業に汗を流そうとする人たちが生活します。勿論農作業専門の人もいます。「みんなの家」では、「音楽会」や「講演会」「映写会」等々を開催します。「みんなの家」では、歌や楽器のレッスンでいつも音楽があふれています。「みんなの家」では、日常の暮らしで疲れた人たちにも集まっていただき、農作業や交流会(音楽会)等でリフレッシュし、明日への活力を補給します。
           
  一口3万円で「みんなの家」のオーナーを募集します。何口でも大歓迎です。
また時間がある時に、実際に「みんなの家」作りの作業をお手伝いいただける方も大歓迎!です。オーナーは「ながさき・音楽村」村民になります。「村民証」を発行致します。「オーナー村民」は「みんなの家」で生活している村民と同様にいつでも「みんなの家」を利用することが可能です。「オーナー村民」以外の方は、その限りでは有りません。が、基本的には誰もが訪問し、宿泊出来るようなシステムを考えて行きたいと思います。「みんなの家」完成予定の2005年末までには、明確なものを提示できるようにしたいと考えます。

 「みんなの家」の規模は、100名ほどの人がゆったりと入れ、音楽会等が可能なものにしたいと思います。尚数十名が宿泊可能な施設にしたいとも考えています。

 日常の生活に疲れたり、人間関係で悩んだり、将来の夢が見えなかったり・・・「今」を生きることの厳しさ、難しさに直面している人たちが、自然の懐に抱かれ「タテ」の関係ではなく「ヨコ」のつながりを大切にしながら「農作業」で汗を流し「音楽」を中心に据えた「人間としての心の交流」を持てたとしたら、何て素敵なことでしょう!

 いつも誰かが待っていてくれている「ふるさと」、自分が自分らしく生きてゆける「空間」、仲間たちの笑い声がいつも響いている「家」・・・

 それが、私たちの目指す「ながさき・音楽村」の「みんなの家」なのです。
 


      最後に

 「夢」のような話かも知れません。でも「夢」を見ないで、人は生きて行けるでしょうか。「夢」を見て、その「夢」の実現のために、「夢」を共有し合える仲間たちとともに、心を寄せ合い、力を出し合い、汗を流し合う・・・

 信じ合える仲間がいて、音楽があふれ、笑い声が絶えない・・・ただ街の暮らしに疲れた人たちの逃げ場所ではなく、そこには自然に抱かれながらの生活が積極的に存在している・・・それが「ながさき・音楽村」なのです。

 そして、理想とする「ながさき・音楽村」づくりに向かって、惜しみない汗や涙を流すこと、その行為そのものが「ながさき・音楽村」の活動なのです。

  もう「ながさき・音楽村」の活動は始まっています。その音楽面の活動をより充実したものにして行くために「みんなの家」作りに励みたいと思っています。農作業面では、荒れ果てた田んぼや畑に少しずつ手を加え始めています。ニワトリを飼うための「小屋作り」にも着手しようとしています。ブルーベリーを植えるための畑作りもこの9月から始めています。来年のために「田んぼ」を広げる準備も徐々に進めて行っています。

 

 価値観の多様化、何を信じていいのか、何が大切なのかさえ分からなくなっている今、人間は自然の中で生かされ、それも一瞬の時しか刻めない生命しか持ち合わせていない現実を認識しつつ、その中で「人間らしい生き方」を求めようとして行くのが「ながさき・音楽村」の目指すものなのです。

 皆様の積極的な参加を心からお待ちしています。みんなの個性が集まり、それぞれに発揮されることによって「ながさき・音楽村」が本物になって行くことを信じながら、力強く歩き続けることを今ここに宣言致します。

 地球にやさしい「農業」と人間にやさしい「音楽」。その両立を目指して「ながさき・音楽村」は歩き始めました。ひとつの企画ではなく、人間の生き方として・・・。まさに「半農半音生活宣言!」なのです。

        2004年9月

    半農半音生活宣言!

            「ながさき・音楽村」

                     代表/寺井一通

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